
先日、ある飲み会でのこと。
「お仕事は何をされているんですか?」
「ピラティスのインストラクターです」
と答えたところ、そこから姿勢の話で大盛り上がり。
「僕の姿勢、どうですか?」
「私、猫背ですよね?」
「ちょっと見てもらっていいですか?」
……はい、居酒屋に突如オープンする姿勢相談室(笑)。
私もお酒が入っていますので、いつもより少々なめらかな解説付きです。
ただし、手に持っているのは骨格模型ではなくビール。
そんな中、ある男性のお話が印象に残りました。
「やっぱり、姿勢のいい女性って綺麗ですよね」
うんうん。そこは私も大きくうなずきます。
ところが、その続きがちょっと意外。
「正面から見るのは恥ずかしいから、後ろ姿を見てるんですよ」
……えっ。
そっちでしたか!
こちらは朝から鏡の前で、眉毛の角度を調整し、チークを入れ、口紅を塗っているというのに。
背中、完全にノーマークでしたけど!?
その方がおっしゃるには、すっと綺麗に立っている女性、座っている女性、そして歩いている女性の後ろ姿に、とても魅力を感じるのだそうです。
「前に回って、どんな人なのか見てみたくなる」
なるほど。
後ろ姿が、自己紹介を始めているわけですね。
本人がまだ名乗ってもいないのに(笑)。
では、「後ろ姿がすっとしている」って、どんな姿でしょう。
肩が耳に近づくほど力んでおらず、首まわりがすっきり。
背中から腰へ、自然なラインが続いている。
頭だけが前に飛び出さず、体の上にふわっと乗っている。
そして、歩く姿にもどこか軽やかさがある。
反対に、肩が内側に入り、背中が丸くなると、服の上から見えるシルエットまで、なんとなく縮こまって見えることがあります。
背中って、顔ほど表情はないはずなのに、
「今日は疲れてます」
「スマホ、長時間見てました」
「いろいろ背負ってます」
と、意外とおしゃべりなんですよね。
できれば背中にも、
「今日の私、なかなかいい感じです」
くらいは言っておいてほしいものです(笑)。
ここで気をつけたいのが、綺麗に見せようとして、胸をぐいっと張り、肩甲骨をぎゅっと寄せること。
それでは、飲み会の帰り道までずっと気合いの入った整列です。
疲れます。
目指したいのは、力んで作る姿勢ではなく、自然にすっといられる体。
ピラティスでは、呼吸とともに体を動かしながら、背骨や骨盤の位置、体を支える筋肉の使い方を少しずつ学んでいきます。
もともとの骨格や体形は人それぞれ。
みんな同じ背中になるわけではありません。
でも、自分の体を上手に支えられるようになると、その人らしいシルエットが引き立ち、立つ・座る・歩くという日常の動きも変わっていきます。
私がレッスンで見ていて嬉しいのも、そんな変化です。
鏡の前だけで頑張るのではなく、ふと立ち上がった瞬間や、帰っていく後ろ姿まで綺麗になる。
それって、素敵ですよね。
昔から、
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」
と言います。
美しさは、お顔やお洋服だけでなく、姿勢や所作にも表れるということなのでしょう。
私たちは目が前についているので、自分の後ろ姿を見る機会はなかなかありません。
でも、自分には見えないその姿を、誰かが「素敵だな」と思って見ているかもしれません。
そう思うと、背中も少し大切にしたくなりませんか?
前からも、横からも、そして後ろからも。
自分らしく、気持ちよく立てる体へ。
さあ、後ろ姿まで整える運動習慣、始めましょう。
スタジオviviでお待ちしています。
背中は自分で見えませんので、そこは私たちにお任せください。
今度はビールを持たずに、しっかり拝見します(笑)。